運命に出会いました!〜年下令嬢は魔術師様を熱愛中〜



ニコニコしながらランチボックスを手にいつものベンチに向かう。その際ちょっと困ったように眉を下げて恐る恐るランチボックスを持ってくれる姿に思わずきゅん、としてしまう。かわいい。


最初の頃は受け取るだけで一緒にごはんまでは食べてくれなかったけれど、最近はこうして2人分を作ってくれば一緒に食べてくれるようになった。まぁグラナティス様の優しさに漬け込んでいる気もするけれど、拒否されるような雰囲気はないので大丈夫なはず!



「そちらはジャムを挟んでありますの。中のジャムもわたしが作ったんですよ!」


「そうなんだね。……うん、美味しいよ」



そう言ってほわりと微笑む姿にわたしの胸も甘く緩んでしまう。魔術師の方は総じて甘いものが好きらしいというのは本当らしい。魔術って結構体力とか使うのですって。普段の生活で使うような些細なものはそれほど影響ないらしいけれど。


ランチを持ってきた初めの方から甘味は心なしか嬉しそうにしていたしやっぱり好きなのだと思う。今はまだ作れないけど、そのうち手作りのお菓子を持ってきたら食べてくれるかしら。


高位の貴族の方らしく、上品に食べているけれどどこか小動物的なかわいらしさもあって効果音にもぐもぐ、とかもぎゅもぎゅ、とか付き添う。やだめちゃくちゃかわいい。



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