エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
楽器演奏だけでなく近くの高校の合唱部の生徒が歌声を披露したり、マジシャンやお笑い芸人も参加する大がかりなイベントだ。
普段のレッスンと並行しての準備は大変だが、たった数時間でも音楽が日々病気と向き合っている患者たちの気分転換の一助となるのならと、講師の誰もがこのイベントに協力的だ。
珠希も昨年までは裏方だったこのイベントに今年は演奏者として参加できることになり、例年以上に張り切っている。
珠希はイベント責任者の小田原に会場となるホールへと案内され、当日司会を務める藤野という女性を紹介された。
「今回お世話になる和合です。当日、よろしくお願いします」
珠希はそう言って藤野に軽く頭を下げた。
「藤野です。こちらこそよろしくお願いします」
藤野は優しい笑みを浮かべて珠希に答えると、手にしていたタブレットを珠希に差し出した。
見ると画面には、珠希が病院に提出した当日演奏する楽曲のリストが表示されている。
「変更があれば前後の時間配分も見直す必要があるので早めに教えていただけるとありがたいです」
藤野の問いに、珠希は小さくうなずいた。
「変更はありません。ただ、ここには六曲リストアップしてますけど、時間的に大丈夫かどうか。気になっていたんです」
昨年と同じ曲数を用意し病院に提出したが、他の演目との兼ね合いもあり時間配分が気になっていたのだ。
藤野はタブレットの画面を眺めながら「大丈夫だと思います」と答えた。
「時間的にはOKなんですけど、一度ざっと聞かせてもらってもいいですか? よく耳にする曲ばかりですが、エレクトーンだと曲の雰囲気も変わりますよね? ちょうどさっき楽器の調整が終わったばかりなのでお願いしてもいいですか?」
「あ、はい。それはかまいませんが……」
突然演奏を頼まれ、珠希はステージを確認した。
上手側にエレクトーン、そして下手側にグランドピアノが置かれている。
普段のレッスンと並行しての準備は大変だが、たった数時間でも音楽が日々病気と向き合っている患者たちの気分転換の一助となるのならと、講師の誰もがこのイベントに協力的だ。
珠希も昨年までは裏方だったこのイベントに今年は演奏者として参加できることになり、例年以上に張り切っている。
珠希はイベント責任者の小田原に会場となるホールへと案内され、当日司会を務める藤野という女性を紹介された。
「今回お世話になる和合です。当日、よろしくお願いします」
珠希はそう言って藤野に軽く頭を下げた。
「藤野です。こちらこそよろしくお願いします」
藤野は優しい笑みを浮かべて珠希に答えると、手にしていたタブレットを珠希に差し出した。
見ると画面には、珠希が病院に提出した当日演奏する楽曲のリストが表示されている。
「変更があれば前後の時間配分も見直す必要があるので早めに教えていただけるとありがたいです」
藤野の問いに、珠希は小さくうなずいた。
「変更はありません。ただ、ここには六曲リストアップしてますけど、時間的に大丈夫かどうか。気になっていたんです」
昨年と同じ曲数を用意し病院に提出したが、他の演目との兼ね合いもあり時間配分が気になっていたのだ。
藤野はタブレットの画面を眺めながら「大丈夫だと思います」と答えた。
「時間的にはOKなんですけど、一度ざっと聞かせてもらってもいいですか? よく耳にする曲ばかりですが、エレクトーンだと曲の雰囲気も変わりますよね? ちょうどさっき楽器の調整が終わったばかりなのでお願いしてもいいですか?」
「あ、はい。それはかまいませんが……」
突然演奏を頼まれ、珠希はステージを確認した。
上手側にエレクトーン、そして下手側にグランドピアノが置かれている。