冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い

「もちろん。だっていつも凛子が俺に弁当を作ってくれる時の弁当箱だったし、俺に作ってくれたんだろう?」
「あ、うん。でもあんなぐちゃぐちゃになったやつ、食べてくれたんだ」
「凛子が作ってくれたんだ、当たり前だろう。いつもの卵焼きも美味かったよ」


 あぁ、好き。


 自分が少しでも優から女として見てもらえている自信が欲しい。妹扱いじゃなくて、女として見て欲しい。あらとあらゆる欲求身体の奥底から伸びてくる。


「あ、あのさ、優ちゃん」


 凛子はゴクリとツバを飲み、優を見つめた。


「ん? どうした?」


 優も凛子を見る。けれどその熱量は全く違うものだった。凛子は男として優を見つめたが、優はあの優しいまなざしで、凛子が心配と視線で伝わってくる。


 あぁ、やっぱりまだダメだ。でも、少しの可能性を掛けて、一歩踏み出したい。

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