線香花火


だから、もし最後のこの瞬間にわがままとか願いを言っていいなら、生まれ変わったらまた彼女と出会えますように。


「じゃあ、それはもらうぞよ」


そういって老人が指をさしたのは、僕が握りしめていた線香花火。


ちゃんと最後まで残った花火。


「これぐらい持っていったらだめなんですか?」


「悪いが、そういうルールなんじゃよ」


あっちでもルールなんてあるのか、なんて少し笑いそうになった。


「…わがままを聞いてくれて、ありがとうございました…っ」


泣かないって決めていたのに、やっぱり本当に泣いてしまう。


相変わらず僕は泣き虫な男。

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