悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
勿論、未来の婚約者を見繕う為でもあり、少しでも気に入ってもらう為にケリーと共に作戦会議を繰り返していた。
あれから彼女との仲は良好で、ゲームの中とはまた違った関係性を築いている。
そんな時、マークとイザベラに呼び出されて、歌い出したい気持ちを抑えながら部屋に向かっていた。
そろそろ一人目の顔合わせ予定の人が到着した頃だろうか。
最短ルートに向けて順調に歩み始めたトリニティの未来は希望に満ち溢れていた……筈だった。

「おはよう御座います! お父様、お母様! もう一人目の方がいらっしゃったのですか!? わたくしは準備万端なので、直ぐにお通しして下さいませッ」

しかし此方のテンションとは真逆で、珍しくマークとイザベラの雰囲気は暗く表情は固くなり強張っているようだ。
空気は明らかに緊張していた。二人の言葉を待っていると……。

「お、ぉ、おはようトリ、トリニテ、ニティ……」
「トリニティちゃん、きょ、今日も可愛いわねぇ! フフッ、ウフフ」

いつもは違ってトリニティを褒める言葉にキレがない。
それに砂糖のように甘い二人の空気が今は塩辛く感じてしまう。
< 38 / 250 >

この作品をシェア

pagetop