悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
「ケリーの勘もありますが、その方が上手くいくと思うんです!」
「上手くって、どういう事……?」
「もし、もしもですよ? お嬢様が新しく屋敷に来るコンラッド様を無視したり蔑ろにしたとしましょう。そして万が一、トリニティ様に今後、何かあったとします」
「何かって……なに?」
「それはですね……! 将来お嬢様がお金持ちの方に嫁いだとして、ずっとその幸せが続くと思いきや、突然壊れてしまう事だってあり得ますよね?」
「えぇ……まぁ、そうね。なくはないわね」
「そしたらトリニティ様は、もしかして離縁するかもしれません」
「離縁ですって!?」
「そしたら次の御相手が見つかるまで、侯爵家を継いだコンラッド様……将来のフローレス侯爵様に助けて貰えないかもしれないんですよッ!?」
「はっ……!」
「ケリーは思うのです! お嬢様の将来の事を考えて、絶対に仲良くしておくべきですッ」
「…………さすがだわ、ケリー」
「えへへ、お嬢様にまた褒められちゃいました」
「貴女が居てくれて本当に良かったわ! また困った時はわたくしを助けて頂戴……! ケリーの力が必要なの」
「分かりました……!」
ここでケリーに新しい感情が芽生える。
こんなに自分を頼りにしてくれるトリニティをもっともっと幸せにしてあげたい。
やはりトリニティの側には『ケリー』が必要だ。
そしてトリニティの近くに居て自分が導いていこうと……。
トリニティはこの時点で最短ルートどころか、全く別の道に歩み出した事にまだ気付いていなかったのだった。