【電子書籍化決定!】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
フローレス家にコンラッドが来てから、彼を愛でるのに忙しくて、婚約者を作る為の熱意は殆どコンラッドに注がれていたので、すっかりどうでもよくなってしまっていた。
マークとイザベラも相変わらず、トリニティに何かを隠しているようだ。

(そろそろ本気出さなきゃね……!)

招待状の中身……それは王城で開かれるダリルの誕生日パーティーのお誘いであった。
今更、ダリルに呼ばれる理由は分からないが、パートナーがおらず困っているので是非ともトリニティに頼みたいという、ダリルの直筆で書いた手紙が添えられていた。
誕生日会に何故パートナーが必要なのか。
そして『トリニティ』を指名した理由も分からないまま考え込んでいた。

今まで三年間もダリルからは何の音沙汰がなく、関わることはなかった為、シナリオからは完全に離れたのだと安心しきっていた。
ここにきてポッと突然、現れたダリルに驚きを隠せない。
けれど大きなパーティーという事は令息達が沢山居るという事だ。
(このチャンスを逃す訳にはいかないわ……!)
意気揚々としているトリニティにマークが焦ったように話しかける。
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