竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~

23.リアンの仮説(Side リアン)

「ロイ、無事か」

「リアン、様……」


 咽かえるような血の臭い。ロイは身体中を包帯でグルグルに巻かれ、酷く痛々しかった。
 けれど、それ以上に気がかりなのは、もう一人。本来ならばこの場にいるはずの、アイリスのことだった。


「申し訳ございません。僕のせいでアイリス様が……アイリス様が…………!」


 ロイは取り乱し、悔しそうに涙を流す。とてもじゃないが、まともに話が出来る状態ではない。


(くそっ)


 居ても立っても居られず、リアンはくるりと踵を返す。今すぐアイリスを探しに行かなければ――――。


「待てよ、リアン」


 背後から呼び止められ、振り返る。親友の一人、麟族のニコラスだった。


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