竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「それは俺も同じ。初日位はアイリスを見送らせて?」
どこまでもわたしに甘い旦那様は、そう言って優しく微笑んだ。そんな風に言われたら、折れざるを得ないじゃない。
「ロイ、行こうか」
「はい、アイリス様」
羽の真ん中をポチッと押すと、背中に丁度いい大きさの翼が生える。極彩色の綺麗な翼で、付けている間、わたしの意のままに動いてくれる。
なんて、初めて使ったのは旦那様とお出掛けをした次の日のこと。通学が始まるまでの間にいっぱい練習して、学校まで通えるように練習を重ねてきたのだ。
ロイも、普段は元気に野山を駆け回るんだけど、わたしに合わせて魔獣用の翼を付けてくれている。
「では旦那様、行ってきます」
軽く飛び上がってからそう口にすると、旦那様は切なそうな、それでいて不安そうな、何とも形容しがたい表情を浮かべた。まるでわたしがいなくなっちゃうのを恐れているみたいな、そんな顔だ。
(そんな表情しないで)
旦那様にはいつだって笑っていてほしい。笑ってわたしを見送って欲しいって思ってしまう。
「お家に帰ってきたら、沢山のお土産話と、旦那様が大好きなお料理を作って待ってますね」
少しでも笑って欲しくて、そんなことを口にする。
すると旦那様は少しだけ目を丸くして、それから穏やかに笑って「気を付けて行ってらっしゃい」って言ってくれた。
良かった、元気になったみたい。わたしはホッと胸を撫でおろす。
「行ってきます」
もう一度口にして、大きく手を振る。
それから、ロイと共に学校に向かって出発した。
どこまでもわたしに甘い旦那様は、そう言って優しく微笑んだ。そんな風に言われたら、折れざるを得ないじゃない。
「ロイ、行こうか」
「はい、アイリス様」
羽の真ん中をポチッと押すと、背中に丁度いい大きさの翼が生える。極彩色の綺麗な翼で、付けている間、わたしの意のままに動いてくれる。
なんて、初めて使ったのは旦那様とお出掛けをした次の日のこと。通学が始まるまでの間にいっぱい練習して、学校まで通えるように練習を重ねてきたのだ。
ロイも、普段は元気に野山を駆け回るんだけど、わたしに合わせて魔獣用の翼を付けてくれている。
「では旦那様、行ってきます」
軽く飛び上がってからそう口にすると、旦那様は切なそうな、それでいて不安そうな、何とも形容しがたい表情を浮かべた。まるでわたしがいなくなっちゃうのを恐れているみたいな、そんな顔だ。
(そんな表情しないで)
旦那様にはいつだって笑っていてほしい。笑ってわたしを見送って欲しいって思ってしまう。
「お家に帰ってきたら、沢山のお土産話と、旦那様が大好きなお料理を作って待ってますね」
少しでも笑って欲しくて、そんなことを口にする。
すると旦那様は少しだけ目を丸くして、それから穏やかに笑って「気を付けて行ってらっしゃい」って言ってくれた。
良かった、元気になったみたい。わたしはホッと胸を撫でおろす。
「行ってきます」
もう一度口にして、大きく手を振る。
それから、ロイと共に学校に向かって出発した。