空に飛んだら
シャッ!
っとカーテンを開ける音がしたと思った瞬間,
「おぉ?空生ちゃん!目が覚めたかぁ」
と少し抜けたような大声が聞こえた。
咄嗟のことで私は驚き,
「うわぁ?!」
という変な声を出してしまった。
「あはははははははは!」
なんだろう。ものすごく笑われている。
見たところ30代半ばの男の人だ。白衣を着ているからお医者さんだろう。
それにしても,こんなに大声で笑わなくていいのに。
悲しくなってくる。
「ごめんごめん。つい面白くて。そんな睨まないでほしいな。ところで空生ちゃん,具合はどうだい?」
そんなもの,最悪に決まっている。
「あぁ,答えづらかったかな……。んじゃあ,痛いとことか?、ない?」
怪我をしているのだから,痛くて当たり前だ。
「えーっと,」