月下の君には秘密です。


「…あ~、食った食った…」

昼食を終えると、
母さん達はテキパキと後片付けを始めて、俺たちは庭のお手製のウッドデッキで羽を伸ばしていた。

母さん達の『俺いじり』も今日はそんなにヒドくなかったし、
お肉は美味しかったし、
俺は大満足だった。


「本当に晃はよく食うなぁ。」

「――成長期だからッ。その内に月ちゃんの身長越すからなッ。」


俺は、ふふんと笑った。
久々に月ちゃんと話せて、はしゃいでいたんだと思う。


「…晃ちゃん、本当に月ちゃんが好きだね~。」

「…はッ!?」

突然、井上がそんな事を言い出したから、俺は口を開けて固まった。

好きだけどッ。
わざわざ、なんで今!?


「だってさ~。月ちゃん、聞いて?晃ちゃんたら最近クールぶっちゃってさぁ。」

何おぅ?
俺は顔をしかめて井上を見る。


「学校ではカッコつけちゃって『おぅ』とか『あぁ』しか言わなかったりするんだよ~?強がっちゃってさぁ。あたしに対しては、まだマシだけど。月ちゃんと話してる時が一番素直!」

「ははっ…そうなの?晃。」

俺は言葉に詰まった。
確かに井上の言う事は、自分で考えても思い当たる節があって…


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