【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「すごく似合ってる。……本当に、今までで一番美しいから、桃子」

「千歳も……タキシード、似合ってる。 惚れ直してしまいそうだよ」

 タキシードを着た凛々しい表情がまた、たまらなく美しく見える。まるでモデルみたいだ。

「それは俺も、同じ意見だ」

「遥陽、どう?パパもママも似合ってる?」

 ベビーカーに座る遥陽に問いかけるが、遥陽はキョトンとした顔をしている。

「そっか。まだ分からないか」

「赤ちゃんだからな」

「そりゃそうか」

 でも遥陽にもウェディングドレス姿を見てもらえて、私は満足だ。
 将来私たちのウェディングフォトを見て、遥陽は「ママ、キレイ〜」とか言ってくれるかな?とか、想像してしまう。

「どうした、ニヤけてるぞ?」

「えっ、ニヤけてた?」

「ニヤけてた。なに想像してた?」

 千歳にそんなことを聞かれると、さっきのことを話すのはちょっと恥ずかしいような気もする。

「べ、別に何でもないわよっ」

「出た、ツンデレ。今日という日にもツンデレかよ、お前は」

 千歳は飽きれたような表情を見せるが、私は「そ、そんなことないわよ」と千歳に言うが、千歳にはバレている気がしてならない。
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