【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 千歳は嬉しそうに微笑んでいる。

「……嬉しいなら、いいんじゃない?」

 千歳の笑顔は、意外と可愛いから……笑ってくれると私も嬉しくなるのは、千歳には内緒。

「てか、もうこんな時間か」

「ほんとだね。そろそろ寝ないとだね」

「そうだな」

 二人で大きめのダブルベッドに潜り込む。

「なあ、桃子」

「なに?」

 右側に横たわる千歳に、視線を向ける。

「この家で楽しく暮らしたいな、これからも」

「え? なによ、しみじみして?」

「いや、なんか……いいなって思ってさ。こういうの」

 千歳がそんなこと言うから、私も確かにそうだなと思えた。

「確かに、いいね。なんか、私たちらしいかもね」

「ん?」

「なんか、千歳とこうやって色々と言い合ったりするのも、楽しいなと思ってるよ」

 そう言った私の髪を、千歳は優しく撫でる。

「その言葉が、俺は何より嬉しいから」

「えっ……?」

「俺はお前と楽しい結婚生活にしたいと思ってるから。 ツンツンした桃子も可愛いし、ちょっとデレッとした桃子も可愛いけど……やっぱ笑ってる顔の桃子が一番好きだから」

 その言葉の後、千歳は身体をぐっと引き寄せ唇にキスをした。
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