君を愛せないと言った冷徹御曹司は、かりそめ妻に秘めた恋情を刻む
「郁人さん、大好きです」

溢れてくる想いを包み隠さず伝えたい。

もう二度とすれ違わないように。

「俺もみちるが好きだよ」

「郁人さんにそう言ってもらえるなんて奇跡みたい」

「奇跡じゃない。運命だろ?」

彼のささやきに、鼻の奥がツンとした。

私たちはあの日、運命の出会いをしたのだ。

「はい……」

「みちるはまだ痛いだけ?」

腰を甘く突き上げられ、快感が駆け抜ける。

「あっ、んん……っ」

「じゃ、ないみたいだな」

劣情を滲ませた彼が緩やかに律動を刻み始めた。

「あっ、あぁっ」

「愛してるよ。もう離さない」

とめどなく与えられる口づけに、私は朝まで身を任せた。


翌朝。

スイートルームのベッドの上、郁人さんの腕の中で目が覚めた。

「……あれ?」

私はバスローブ姿だ。でもそれを身につけた記憶がない。

「おはよう」

至近距離で郁人さんが微笑み、唇を啄んでくる。

「お、おはようございます。あの私、バスローブ……」

起き抜けに自然にキスされてしどろもどろになりながらも、彼に疑問を投げかけた。

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