君を愛せないと言った冷徹御曹司は、かりそめ妻に秘めた恋情を刻む
「だってみちるちゃん、破談になったら行くとこないよ。昨日のうちに荷物も運び込んでるのにどうするんだよ」
「大丈夫です。荷物はなんとかしますし、住むところもすぐに探します」
頼りなく見えるのかもしれないけれど、ひとりでも生きていける。お金がなくたって、今まで上手にやりくりもしてきた。
「寂しいこと言わないでよ。俺、みちるちゃんタイプだから、無理してるわけじゃないし。今から父さんにかけ合ったっていい」
真紘さんはすぐにでも桐嶋のおじさまのもとへ向かう勢いだ。
ものすごく心配してくれているみたいだし、とても優しいのだろうけれど、深く考えていなさそうだった。捨てられたペットを拾って家族に迎えるくらいの感覚なのかもしれない。
そんなに簡単に結婚を決めてはいけないと、どう話せば伝わるだろう。
「結婚する」
不意に耳を疑う言葉を郁人さんが発し、私と真紘さんは同時に彼を見た。
「結婚するって誰と誰が?」
「俺と彼女に決まっているだろう」
真紘さんの問いかけに、郁人さんはきっぱりと答えた。
彼女とは、私のことだろう。
「えっ?」
「大丈夫です。荷物はなんとかしますし、住むところもすぐに探します」
頼りなく見えるのかもしれないけれど、ひとりでも生きていける。お金がなくたって、今まで上手にやりくりもしてきた。
「寂しいこと言わないでよ。俺、みちるちゃんタイプだから、無理してるわけじゃないし。今から父さんにかけ合ったっていい」
真紘さんはすぐにでも桐嶋のおじさまのもとへ向かう勢いだ。
ものすごく心配してくれているみたいだし、とても優しいのだろうけれど、深く考えていなさそうだった。捨てられたペットを拾って家族に迎えるくらいの感覚なのかもしれない。
そんなに簡単に結婚を決めてはいけないと、どう話せば伝わるだろう。
「結婚する」
不意に耳を疑う言葉を郁人さんが発し、私と真紘さんは同時に彼を見た。
「結婚するって誰と誰が?」
「俺と彼女に決まっているだろう」
真紘さんの問いかけに、郁人さんはきっぱりと答えた。
彼女とは、私のことだろう。
「えっ?」