センセイとわたしのただならぬ関係

エピローグ

 それからの約1年半。
 わたしは人が変わったように受験勉強に没頭した。

 数学は苦手だったので、国公立は諦め、私大に絞った。
 そして、補欠ではあったけれど、第一志望の大学に合格することができた。

 大学に入るまでは、わたしが本気か、父はまだ半信半疑だった。
 でも頑張りを認めてくれたようで、大学入学後は、会社の経営について教えてくれるようになった。
 
 2年生になり、父の会社で長期インターンをすることになった。
 田坂さんと数名の幹部を除けば、わたしが社長の娘ということを知る人はいない。

 それはとてもありがたかった。
 理論重視の大学の授業と違い、実践的に知識を身につけられるインターンの機会は貴重だったから、特別扱いされては意味がない。
< 78 / 82 >

この作品をシェア

pagetop