午後2時のカフェオレモーニング

🍃6月29日


「おはよう。」

「おはようございます。」

「よく起きられたわね。」

「昨日はぐっすり寝れた。」

「朝方人間になってきたかな?」

「軽井沢ではね。」

「フフフ、じゃあ行きましょうか。私の朝の散歩コースに。」

「毎日一緒のコースなの?」

「殆どね。30分くらいと短いのよ。いつもは起きたらすぐに店に入って冬なら書斎を温めはじめて、それから出掛けるの。東に向かって歩き始めて、日が出始める時期もあるでしょ。太陽を感じて、朝靄も・・・霧に光が当たるのとか綺麗でね・・・空気を感じて・・・そして小さな池に着く。私は水には近づいてはいけないと昔占いで言われたのね。でもなんだかこの池には引き寄せられる。だからここで今日もよろしくお願いしますってお祈りして・・・そして帰路に就くの。背中から太陽を感じて季節を感じる。もうずっと・・・ルーティンね。」

「いつから?」

「毎日になったのは旦那が死んでから・・・嵐の日以外はね。それまでは不定期に二人で散歩していた。朝だったり夕方だったり時間もバラバラで。旦那はずっと座りっぱなしだから少しでも運動と思ってね。引きずり出していた・・・」

「そうか・・・なら、今度は俺を引きずり出してよ。」

「何言ってるの、もっと若い人に頼みなさい。」

「歳なんて関係ないと思うけどな・・・」

「・・・ちょっとうれしい・・・でも誰かいるわよ運命の人。・・・それより、どう? なんか五感に感じるものある?」

「一番は空気だね。澄み切った軽井沢の空気と・・・ユリさんと一緒の空気・・・」

「フフフ、やっぱり作家・・・くすぐったいこと言うのね。」

「普段はこんな言葉使わないよ。もっと挑戦的かな・・・」

「じゃあ、少し幅が広がるわね。」

「知らない感覚が増えていっているのは確かだよ。」

「良かった・・・どう、お腹すいた?」

「さっきお腹が鳴った・・・何年ぶりだろって思った。」

「聞こえてた。フフフ」

「ホント? ハズッ」

「ハズッって何?」

「恥ずかしいてこと。」

「そうかフフフ、・・・若者言葉覚えた。」

「じゃあ俺は若者言葉をユリさんに教えるよ。」

「お願い。置いてきぼりにならないようにしたいから・・・」

「・・・しないよ・・・」

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