午後2時のカフェオレモーニング
🍃6月22日
朝開店後一番にあの男性は来た。
「おはよう。」
「今日は、ここに来るのに遠回りをしてみた・・・」
「どうだった?」
「初めて散歩というものをした。」
「今までしたことなかったの?」
「あー・・・はい。」
「それで感想は?」
「目的無く歩くのって意味わかんないって思ってたけど、歩いてみるとなんかいろんなところに目がいって、それにだんだん鼻の奥が痛くなって・・・空気が冷たいというか、濃いっていうか・・・いろんな香りがしてきて・・・驚いた。」
「フフフ、そう。冬になるとね、もっと鼻が痛くなるの。ツーンとね。季節や天気次第で違うのよ・・・でもなんか感じるところがあってよかった。」
「あー・・・はい。」
「それで、モーニングでいいの?」
「あー・・・はい。あと、お願いがあって・・・」
「なあに?」
「あの、お水のグラス・・・できればブルーので・・・空いていればでいいんですけど・・・」
「フフフ、私もブルーが一番好き。」
「あのプツプツ水疱が入っているのが綺麗で・・・」
「手作りのグラスで、あの水疱を入れるのは難しいらしいの。素敵な女性が作っているのよ。」
「へー、いいね。」
― 綺麗なもの好きでよかった・・・
「お待たせしました。」
「今日のスープは?・・・」
「今日はミネストローネ。野菜がいっぱい入っている。キュウリは入っていないわよ。そう見えるのはズッキーニ。」
「・・・おいしい。大丈夫食べられる。」
「よかった。じぁあ、ごゆっくり。」