俺はずっと片想いを続けるだけ*2nd
「そぉなのぉ?
 ぽっちゃりちゃん、可愛いじゃないねぇ」

控えめに言って、お母様はぽっちゃりなのです。 
もし、私の体質がお母様に似ていたら、子供を産む度に私のサイズはワンランクずつ上がっていきます。

あの、おふたり産んでも素晴らしいスタイルを維持されているお義母様のお姿が脳裏に浮かびました。

家族全員がスラッと背が高くスタイルとルックスが共に秀でている侯爵家で、ひとりチビの私が
ぽっちゃりなのは想像するだけで悪夢です。

だって、あまりに侯爵家のお食事が美味しくて。
抑える事が出来ないのです。
ウチのシェフには申し訳ないですが、料理の腕が全然違うのです。


旦 :「どう、食べられる?」

母 :「お口に合うかしら?」

先 :「嫌だったら残してね?」

父 :「早くグレイスの好みを把握しろ」

結婚式の翌日の家族の昼食会で。
皆様、私を気遣ってくださって。

前日食事が喉を通らなかった事と、
直前に見せられた寝室の壁紙に大笑いさせていただいた事で、私は食欲全開になったのです。
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