俺はずっと片想いを続けるだけ*2nd
日毎に、サーブしてくださるお料理の量も増えて。
侯爵家のご家族、使用人の皆さんが一丸となって、私に
『もっと、たんとお食べ』と、言うのです。

そこに愛がなければ、
食べられる為に太らされてる?と疑ってしまう
ぐらい皆様、満面の笑顔なのです。

ですが、これからはこの誘惑に勝ってみせる!


 ◇◇◇


結局、大叔母様からお話は聞けませんでした。

お迎えに来てくださった旦那様に、そんな話を
知っていますかと、尋ねました。

「何でも欲しがる義理の妹?
 カリーナの事かな?」

「全然違うと思います」

先輩は正反対の『何でもくれちゃう義妹』だと、思います。

「大叔母上が亡くなる前には聞けるといいね」

大叔母様の生き死にを、旦那様はさらっと仰いました。


「それより料理長が、今夜は君の好きなメニューにすると、言っていたよ」

旦那様が優雅に微笑みながら、私の手を繋ぎに来られたので、ぽーっとした私は。

昨夜の誓いを翌日には破ると云う愚行を、犯してしまいました。
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