俺はずっと片想いを続けるだけ*2nd

国家的な秘密です!~グレイス

その夜、旦那様の寝室で。
旦那様と私はごしょごしょした後、お話をしました。
この時間が私は好きなのです。
私達が色々な事をお話出来る時間です。

「王太子殿下が君に会いたいと、言っている」

「……」

旦那様からは、
『初等部の頃、俺と一緒に何回か君を見に行って、一方的に君を師範と呼んでいる』と、聞いていました。

『師範』と、仰られた意味がわからなくて、
どう反応すればいいのかわからなくて、
その話はそのままにしておりました。

「気が乗らないなら、俺からうまく言っておくから」

「気が乗らないのではなく、以前クリスが仰られた師範と、いうのが……」

「あのね、これは絶対に知られてはいけない秘密なんだ
 俺と一緒のお墓に入る時まで抱えていかないといけない秘密」

ふたりだけしかいないのに、お声を潜める旦那様が少しだけ怖くて。
それと同時に、ふたりだけで共通の秘密を抱えて生きていく背徳感(?) に、くらくらしました。

それは王家の秘密なのね
(きっと、すごい秘密なのね)
私は貴方の妻だから、絶対に誰にも言いません (やだ照れるっ)
例え敵国に捕らえられても!
(何処の国だよ!)
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