俺はずっと片想いを続けるだけ*2nd
それにしても…
今すぐ、復学なんてしたら。
学年末試験を受けなくてはいけない、ではないですか。
自慢ではありませんが、私はお勉強が苦手なのです。
好きなのは運動と数学と地理のみ。
それ以外は……むにゃむにゃとさせてください。

ですから、退学する事は拒否案件ではなかったのです。
ドノヴァン様が言われた、
『学園の友人』って、誰なのかしら?
そんな余計なこと、言うひと居たかしら……



え、今、この人私の事グレイス嬢、って言った?
ふたりで話す、とか言った?

許せん、許せん、許せん!

私は名ばかりの次期侯爵夫人になる覚悟をしてたけど。
名ばかりじゃない、って旦那様は教えてくださったのよ。
10年間も好きだったよ、って頬を赤らめて打ち明けてくださったのよ。
毎日色んなお話してくれて、愛されている、って実感もくださるの。
嬉しいお言葉をいっぱいくれるのよ。


私のことは、侯爵家の家名で呼べよ。
あんたが私をクリストファー様の妻だと認めなくても、旦那様は認めてくださっているのよ!


凄く腹が立つので睨み付けたら、余計な事しぃの侯爵令息は慌てて立ち上がって帰っていきました。


逃げ足だけは早いやつです。
そう言えば、初等部の頃カン蹴りした時も全く戦力にならず、誰かが蹴ったのに併せての、逃げ専のやつでした。


「グレイスは学園に戻りたいの?」

旦那様が優しくお尋ねになります。

あぁ、どう答えたらいいの?
私の馬鹿がバレてしまう、と思いました。
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