11年目のバレンタイン〜恋を諦める最後の告白
信じられない、思いだった。
「本当に……本当なの?」
「ああ、ずっと好きだった。君だけが……さすがに小学生ではヤバいだろう?だから、20歳になってからと悠長にしていたら、君が逃げるとは思わなかった…この子はぼくの…あの時の子だろう?ぼくにそっくりだ」
照れ笑いをした真人さんに、コクリと頷いた。
「はい……わたしでよければ…一緒に…この子…雅人も…よろしく、お願いします」
ペコリと頭を下げると、真人さんが指輪を左手の薬指にはめてくれる。
「ちょっとぶかぶかだね。でも、すぐに幸せ太りさせてみせるよ…この子も、ね?」
「あ、とーしゃんだよね?かーしゃんがよくお写真見せてくれたもん!だいしゅき!って」
「あ、こら雅人ー!バラさないで!!」
息子が無邪気なカミングアウトをしてくれて、真人さんがクスクス笑う。恥ずかしくて顔が赤くなったけど……。
ふわり、と唇に柔らかいキスをされた。
「ぼくも、“だいしゅき”だよ、美幸」
「ぼくもーかーしゃんだいしゅき!」
雅人までライバル心むき出しでチュウをしてきて、微笑ましくて…。
親子3人で笑いあった。
「好きです、真人さん」
「ありがとう。ぼくもだよ、美幸」
息子の見えない場所で、2度目の幸せなキスをした。
(終)


