婚約破棄したい影の令嬢は
家族を守るためとはいえ、こんな窮屈な思いをする羽目になるとは思わなかった。

どうにかしてフィリップに婚約破棄をしてもらいたいところだが、この調子であれば婚約破棄までは時間の問題だろう。
我儘なフィリップはこれ以上、我慢出来るわけがない。


「わたくしは、婚約破棄をして頂いても大丈夫ですけど‥」


ボソリと呟いたディアンテに対して、フィリップは苛々した様子でディアンテに掴みかかる。


「何言ってるか聞こえないんだよ‥この根暗女ッ!」

「‥‥」

「‥もう一度言ってみろ」

「‥‥何でもありません」

「父上がお前が居ればサムドラ公爵は安泰だというから婚約してやっているのに何だその態度は‥‥あぁ、そうか、今からお前の姉と婚約してやろうか?」
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