婚約破棄したい影の令嬢は
ラシードがディアンテに優しく笑いかける。
穏やかなラシードはいつもニコニコしているのだが、魔導具研究とメロディが悲しんだ時だけはキャラが豹変する。
そんなギャップにメロディは惚れたらしく、2人はディアンテとフィリップとは違い、互いを想い合う素晴らしい関係だった。


「急かしたみたいでごめんね!さっき帰ってきたばかりでしょう?」

「大丈夫です、メロディお姉様」


メロディは艶やかな美人でマリアムの生写しのようだった。
妖精というよりは女神に近い。
ディアンテをいつも気にかけてくれる優しい姉である。


食事はいつものように和やかな雰囲気で進んでいった。
ディアンテがホッと胸を撫で下ろした時だった。


「そういえばディアちゃん、今日はサムドラ家でどうだったのかしら‥?」


マリアムの声に、ディアンテの肩が小さく揺れる。


「いつも、通りです‥」

「‥‥ディアンテ」

「はい、何でしょう?」

「‥‥私達が、何も知らないと思っているのかい?」


クレオの声にディアンテは息を止めた。
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