婚約破棄したい影の令嬢は
平然を装っているつもりだが、体は正直で食器がカチャリと音を立てる。
何とか誤魔化せると思っていたが、どうやら限界が来たようだ。
確信もなくディアンテに問いかける事もないだろう。


「何も、問題ないですから」

「ディアンテ」

「‥本当です」

「ディアちゃんが心配なの‥あんな悪い噂しかない公爵のところなんて‥!!」

「私達に何でも相談して‥家族だろう?」


クレオとマリアムの諭すような声にディアンテは手を止めた。
メロディとラシードが心配そうにディアンテを見ている。
ディアンテは視線を振り払うように顔を伏せた。


「ディアンテ、やはり‥王家に相談した方が」

「ダメですッ、それだけは‥!」

「どうして‥?私達には話せないこと?」

「‥‥もう少し、待っててください」


ディアンテは王家だけには関わらないように生きている。
学園でも細心の注意を払って過ごしているのだ。
ディアンテは絶対に目立たないように周囲に紛れて学園に通っている。
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