婚約破棄したい影の令嬢は
フィリップは周囲に自分がこんなにも愛されて、優れている事を見せつけたかっただけだった。
それがこんな事になるとは思わずに狼狽えていた。

そんなフィリップの姿をティファニーはげんなりとした表情で見ていた。
あれだけ格好付けておいて、いざとなったらオロオロとするフィリップにティファニーからの冷えた視線が送られた。

フィリップがディアンテを問いただそうと、座り込むディアンテに手を伸ばした時だった。




「‥‥‥一体、何の騒ぎだい?」






「フィリップ‥」

「‥‥アルフレッド」

「随分と酷い事をするね‥」


アルフレッドはボロボロになった眼鏡に視線を流す。


「卒業パーティーで浮かれるのは結構だが、御令嬢を人前で辱めるのは紳士のやる事ではないね」

「‥!!」


そんなフィリップから手を離したティファニーは、アルフレッドの腕に絡まるようにして胸を寄せる。
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