婚約破棄したい影の令嬢は
時が過ぎ、フィルズは何事も無かったかのように他の人と結婚して、子供が産まれた。
立派に国を治めて、そして老いていった。

アイネは幸せそうに微笑むフィルズの姿を、最後まで見届けた。

(良かった‥)

羨ましかった‥フィルズと共に同じ時間を歩んでいけたのなら、どんなに幸せだっただろうか。

禁忌を犯したアイネの力は、殆ど残っていなかった。
アイネは、もう妖精の森へ帰ることも出来ない。

国の端、森に囲まれた場所で‥‥アイネはアールトン家の元へと辿り着いた。
そこで、金髪蒼目の女の子が病で息絶えた。

アイネは最後の力を使って、その女の子に命を吹き込んだ。



(‥‥愛してるよ、フィルズ)



あの時、告げられなかった言葉。
また巡り合うことがあったら、貴方の側で‥‥






そしてフィルズの周囲の人々によって、妖精アイネとフィルズの話は御伽噺として脈々と受け継がれていった。
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