婚約破棄したい影の令嬢は
「お願いだ、アイネ‥‥愚かな僕の願いを叶えてくれ」

「‥‥もう、全て終わりにしましょう?」

「今度は、絶対‥間違わない‥っ!!」

「‥っ」

「約束する‥!だから‥っ」


ポロポロと流れる涙をフィルズの指が優しく拭う。
アイネはフィルズの手の上に自らの掌を重ね合わせた。





「‥‥‥また君の事を、愛してもいい?」





「‥ッ、フィル」

「愛、してるよ‥‥アイ、ネ‥‥‥」


フィルズの手がパタリとベッドの上に落ちた。
アイネはその場に崩れ落ちた。


「‥‥ごめん、なさい」


朝日が昇るまでアイネはフィルズに寄り添っていた。
そして、フィルズの手を離して静かに部屋を出た。
< 60 / 82 >

この作品をシェア

pagetop