婚約破棄したい影の令嬢は
ティファニーの暴言はフィリップの父親であるサムドラ公爵にも牙を剥く。
「胸ばっかり見ないでよ、変態」
礼儀も立場も弁えないティファニーにサムドラ公爵は怒っていた。
フィリップもティファニーを庇うのは限界だった。

きっとフィリップと結婚できたら贅沢出来るとでも言われたのだろう。
日に日に酷くなるティファニーの我儘。

そんなティファニーにウンザリするのと同時に、物静かで何も文句を言わないディアンテの事を思い出す。
勝手にフィリップが嫌がっていただけで、ディアンテは地味ではあれど悪意ある言葉を吐き出す事も、フィリップの文句も、家族の文句も言ったことはない。

(ディアンテの方がよっぽど‥)

そう思って自分で驚いてしまった。
あんなに邪険にしていたディアンテは、よくよく考えてみれば見た目以外は問題なかったのだ。

ティファニーは確かに美しかった。
それに反してティファニーは見た目以外は最悪だ。

後悔を噛み締めた所で、時は戻らない。
それにフィリップは、あの時大勢の前でティファニーと婚約したと大々的に宣言してしまったのだ。

フィリップは胸騒ぎを感じていた。

それにディアンテと婚約破棄してからというもの、公爵家の事業は再び傾き始めた。
2年前のギスギスとした雰囲気に戻りつつある。
それなのにティファニーは、金を使い続ける。
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