婚約破棄したい影の令嬢は
「其方の、方は‥」

「僕の婚約者だよ」

「なっ何ですって‥?」


アルフレッドの隣に堂々と立ち、当たり前のように腕を絡めている女。

会場にいる人達の視線は主役であるティファニーでなく、その御令嬢に集まっていた。

謎の令嬢はアルフレッドに小さな声で耳打ちをする。
その令嬢の行動を愛おしむようなアルフレッドの表情。
一目見るだけでアルフレッドの全ては、隣にいる御令嬢のものだと思い知らされる。

ティファニーは咳払いをした。
今日の主役は自分だ。

この日の為に、ティファニーはお金と時間を掛けてドレスを用意した。
全ては会場の男の視線を集める為だ。


「こっちにきて私とお話しませんか?」

「テ、ティファニー!やめてくれ‥っ!!」

「だって皆で楽しんだ方がいいでしょう?」


アルフレッドは必ずティファニーの魅力に気付くはずなのだから。


「遠慮しておくよ‥今日は彼女の隣にずっと居たいんだ」


(どうして‥‥どうしてよッ!?)


ティファニーは手を握り込む。
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