執着男子の一途で甘すぎる溺愛は、 止められません!

俺は転校生の処分を下した後、生徒会長の仕事をこなす。
千結に会いたい。
声が聞きたい。
でも…千結は昔のことを忘れてしまっている。
仕方のないことだとはいえ、忘れられているとなると多少…というかかなり傷ついた。
でも千結は変わらず笑って話しかけてくれる。
変わらない千結に俺は少しだけホッとしたんだ。
『結斗くんの結は結ぶって書くんでしょう?私と同じだね!私も結がつくから仲間だよ、結斗くん!!』
ーーあの日、君の笑顔に俺は救われたんだ。
もうあの日には戻れないけどな……。

俺は昼休みになんとなくで職員室の前に通りかかった。
その時……。
「二人が彼を吹っかけてしまったんです!だから…彼は、无祗くんは悪くはありません!」
千結の声が聞こえた。
…しかも何か怒っているような感じだ。
无祗…あぁ、あの転校生か。
俺はすぐに状況を理解することができた。
「しかし君の頬を殴ったのは事実だ。それは見過ごせない」
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