高校生だけど、美術の先生を好きになりました。

 高校生になっても初恋すら経験していなかった私は、尾賀先生にのめり込んだ。
 美術なんて興味ないのに、美術の先生で美術部の顧問をしている尾賀先生との接点を求めて入部した。
 見ているだけで幸せ。お話ししても幸せ。
 全然興味なかった美術部の活動ではあるけれど、質問すれば先生がちゃんと教えてくれるから頑張った。
 まあ、努力だけではどうにもならない実力というものがどんなジャンルでもあるけれど、下手なりに努力していると先生は私を認めてくれた。
「褒める時は頭ポンポンしてください!」と要求したら、「だーめ」と軽く流されたのに、コンテストに出品して、一番下だけれど賞をもらった時には、可愛いわんこ柄のタオルハンカチをプレゼントしてくれた。賞をもらった時よりも、先生がお祝いしてくれたことの方が百億倍くらい嬉しかった。
 
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