俺のもの



その日俺は藍羅のメールを無視した。



そして伊藤にメールを無視された。








ピッピッピッピッピッ!

昨夜俺がセットした目覚ましが鳴り響く。



頭いてぇ…

時刻は午前6時。


「お兄ちゃん!朝だよ!起きてェ!!!」

妹の奏が部屋のドアを勢いよく開ける。


「起きてるよ…」

俺はテキトーに返事をし、顔を洗いに部屋を出た。


リビングからは卵焼きのいい匂い。

親の笑い合う声。

全ていつも通り。

これが俺の日常。
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