俺はずっと片想いを続けるだけ**おまけ

前編

俺の名前は、
ドノヴァン・マクファーレン・グラント。
グラント侯爵家の嫡男。
芳紀16歳のイケてるメンズ。 


男に芳紀、って使わない?
そんな古いこと言うなよ?
俺はそこら辺にいる女よりキレイな顔してるん
だからさ。 
ホーキおけ? イエス! 決まりな!



けどさー、最近はついてない。

姉貴の知り合いだって、カフェであっちから声
掛けてきた美女とちょっと遊んだんだ。

年上で情熱的で甘え上手のいい女で、久々に俺は燃えたんだけど、
人妻でさ、旦那にバレちゃいました~笑


待ち合わせ場所に旦那が現れて
(女の後をつけてたんだ)
つかみかかられて殴られた。

『ガキの癖して人様の物に手を出しやがって!』って。


人のモンに手を出すのは初めてじゃなかったし、バレた時は家名さえ出せば何とかなったから、
こうなる前に女から
『私人妻なのよね』って打ち明けられた時も、
そうか、って思っただけだった。

会える時間とか、話す内容とかで多分そうじゃないかなと、感じていたし。
人妻だったら却って後腐れなく別れられる、って思ったぐらいだし?


だから、女の夫が人を雇わず、自分の手で俺を
殴ったことに腹が立つより
『すげーやるじゃん』ってなったんだ。

自分で、だよ?
俺だったら……考えられないからね。
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