【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
 昼食のあとはグルと布団を干し、洗濯物、掃除をおわらせて、今夜の宴にむけての料理をはじめた。

 グレの話だと、みんなは久しぶりの村にいけると喜んで、たくさんのお酒とアテ、果物などを準備しているらしい。

 私は簡易コンロで唐揚げとカツを村であげて、揚げたてをみんなに食べてもらう。

「今夜の満月たのしみだね。みんなに「美味しい」っていってもらえるかなぁ?」

「大丈夫、みんないうよ。エルモちゃんの唐揚げおいしかったからな、グル」

「ああ、エルモの唐揚げは美味かった。でも俺はサクサクのカツも捨てがたい」

 エルモは二人の話を聞きながら。カツをすじ切りして塩コショウをかけ、小麦をつけとき卵にくぐらせ、パン粉をつけた。

 同じようにとり肉にも塩コショウをして、すりおろしたニンニクと生姜、お酒を肉にすり込んでねかせる。

「早く食べたなぁ」
「食べたい」

 グルとグレは唐揚げとカツを気に入ってくれた。

 今夜――グルは精霊獣の姿に戻るからエルモの手伝いはできないので。

 いまカツと唐揚げの下味準備と、必要なキッチン具とコンロをカバンに入れている。

「グルさん、グレちゃん、サラダもいるかな?」

 揚げ物ばかりだとサッパリした物も食べたくなる。野菜スティックとか、ちぎりレタスがあってもいいか聞いてみた。

「いいな。俺はキュウリ、大根、にんじんの野菜スティックがいい、ドレッシングも作ろう!」

「わかった。みんなが食べやすい大きさに野菜を切るね」

 グルとグレ、エルモは楽しく宴の準備を進めた。
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