【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
「なんだ、使ってみたいのか? エルモもシルワ様のケンゾクだから"行きたい森の花"を持っていけば送ってもらえるぞ」

「私も? そうなの?」

「そうだよ。帰りに体験もできる。ここに来る前にシルワ様から"チェリチタの花"を貰っているから……それさえあれば一瞬でサーティーアの精霊の森に帰れる」

 え?

「だとしたら、行きもそれを使えばファーレズまで、一瞬でこれたんじゃない?」

 この、エルモの言葉に二人は黙る。
 二人の沈黙に。何かいけないことを聞いてしまったの? と焦る。

「エルモの言う通り、だけど……兄貴のことがあった後から、ファーレズ周辺の森に住んでいた精霊達が、みんなよその森に移ってしまったんだ」

「うん、うん。いまファーレズに精霊は"ほぼ"いない」

「ファーレズに、せ、精霊がいない?」

「ああ。さっきギルドでポーションと、薬草の報酬がよかったろ?」

 コクリとうなずくとグルは。

「冒険ギルドの受付嬢の話では。いま、ファーレズでは薬草とポーションを作るときに必要な、薬草、ハーブらが育ちにくいんだってさ。森にもほとんど生えていないみたい」

「え!」

 ――グルに衝撃的なことを聞いた。
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