【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
 とつじょ、アルベルトからエルモに姿が変わり、目をパチクさせるリリアだったけど、すぐに睨んできた。

「エルモ、アルベルトに姿を変えているなんて卑怯。あなたが自分の役割をやらずに消えるから……私、自らやるハメになったわ!」

 ーー熱病のことね。

「……リリア様がお好きなエルドラッド皇太子殿下が、あなたを好きだと言ってくださるのに……あなたはそれ以上に何を求めているのですか?」

 好きな人を手に入れるため学生時代、リリアはたくさんの人たちを傷付けてきた。

 それでは足りないの?

「あたしは愛よりも富と名誉が欲しいの! 面倒なこと、嫌なことはしたくない、もっとチヤホヤされたい!」

「富と名誉? そんなもののためにあなたは……この国の国民を犠牲にしようとしたの?」

「なに、あたしにお説教? ずいぶん偉そうね、エルモのくせにうるさい、うるさい……お前なんて消えてなくなればいい!」

 リリアは書斎から何かを握ると、エルモたちに向けて投げつけた。エルモはとっさにグル、グレを押し退け、投げつけられた液体をかぶり激痛がはしる。


「きゃぁー、熱い、痛い…………あぁあ!!」
 

「エルモ!」
〈エルモちゃん!〉

 二人があわてて駆け寄る、その姿を見てリリアは笑いほうける。

「ハハッ、消えろ消えろ。もうその痕は治らない……醜いエルモ。ハハハッ、いい気味よ」

 リリアはみせつけるように己の手袋を取ると、手はエルモと同じで、紫色に染まりただれていた。

 ――まさか、リリア? あの毒草を手ですりつぶした? あなたがそこまでやるなんて……思わなかった。


「痛い……グル、グレちゃん、私に触れないで、あなた達の手もただれてしまうわ」

「うるさい、そんなこと聞くか! エルモ、いま魔法で治してやるから」

〈エルモちゃん、オレも!〉

「いやよ、離れて、グル、グレちゃん……」

 やめて、触らないでとエルモは手を伸ばした。
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