【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
 そのアルベルトは黒い精霊獣のグルを見て、恐怖に腰を抜かして逃げていった。

「エルドラッド皇太子殿下……彼はファーレズにはきていません、故郷のサーティーアにいます。それに、私は皇太子殿下に会いにきたのではなく、別の用事でここにきています」

「別の用事?」

「ええ……彼から、手紙も貰っていませんわ」

「え、そうなんだ。でも、この話を聞けばエルモは喜ぶと思う。もう一度、僕の婚約者にしてあげる」

 私がエルドラッドの婚約者なる?
 あんなに傷付けておきながら、どの口が言うの。

「お断りいたします……私は公爵家を追い出されて平民になりました」

「それも大丈夫だ。公爵に連絡したらすぐにエルモを受け入れると話がきているんだ――戻っておいで、エルモ」

 両親に連絡した……?
 戻ってこい?

 そんなの当たり前だわ。あの人達は権力しか興味のない人達だもの……そう、言うに決まっている。
  
「喜んで、エルモは公爵令嬢に戻れるんだよ。よかったね」

 ――私が喜ぶ? よかった?
 
 あなたは人の気持ちを考えず、自分のいいようにしか考えていない……いつまで頭の中はお花畑なの。
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