【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
 花びらが舞う、ステキな結婚式の場を作ってくれたお礼と、これから"よろしく"のいみも含めたのだ。みんなは喜び、笑い、踊り、私達の結婚式を盛りあげてくれる。

 乾杯の音頭はばっちゃん……すでに酒盛りがはじまっていてお酒に酔っているけど。

「この日が来ると、二人が出会った日にワシは思っとった。グル、エルモちゃん、結婚おめでとう。仲良くするじゃぞ。困った事があったら聞きに来るんじゃ、乾杯!」

「ありがとう、ばっちゃん」
「ありがとうございます」

 お酒をふるまい、一通り揚げ物も終わり。
 一息ついていた。

 そこに。

「結婚おめでとう。グル、エルモちゃん、残った唐揚げちょうだい」

 真っ赤な顔をした、グレが千鳥足で近寄ってくる。
 
「グ、グレちゃん、飲みすぎだよ」
「そうだぞ、兄貴」
 
「グフフ。今日ぐらい許せ、弟と弟嫁チャン。あ、でも、二人は飲みすぎちゃだめだぞ……いまから初夜があるから」

 ケラケラ、愉快に笑う。

「……はぁ? まったく。兄貴は酔うと下品だな」

「本当のことだろう?」

「そうだけど……ところで、兄貴はシルワ様に力を戻してもらったのに……いつまで、小さいし、トラのままなんだ?」

 そう。いつまでも小さい白トラのままのグレ。彼もグルと同じ、人型にもなれるはずなのになろうとしない。

 そのことをグルに聞かれた、グレは照れ臭そうに。

「だってさ。チタが、この姿がいいって言うから……」

「チタちゃんが?」

「ハハハッ、それなら仕方がないな……ほら、彼女が兄貴を一人で待っているぞ」

「おう。グル、エルモちゃん唐揚げありがとう、幸せになれよ! オレもなっ!」

 一ヶ月前。グレは番とお別れをしたあと……チタと付き合いはじめたのだ。毎日、グレちゃんは楽しそうにチタちゃんの話をするのだ。

「兄貴が幸せそうでなにより」
「うん、幸せそうだね」

「俺達も負けずに幸せになろうな」
「はい、なりましょう」

 グルは頷き。

「さて、俺たちは家に帰るか」

 大きな声でいうと、いきなりお姫様抱っこした。そのグルの行動に気付いた村の人達、グレ、チタ、シルワの温かな目線。

「グル……」

「いいじゃん。はやく、エルモと二人きりになりたい……嫌なのか?」

 うっ、嫌じゃない。
 むしろ嬉しい。

「嫌じゃないよ。私も、グルと二人きりになりたい」

 頬に熱を感じながら"そっ"と耳元で囁くと、彼の目尻がさがり嬉しそうに笑った。
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