【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
「グルさん、このキッチンのコンロはどう使うのですか?」

「コンロ? ああ、言うのを忘れていた。エルモは魔力ありか?」

「魔力あり?」

 えっと、確か……学園の入学の時に魔力測定機で計ったときには、魔力ありの判定だったはずだ。

「人並みに魔力があると思います」
「だったら、コンロの上を触ってみな」

 ――コンロをさわる?

 言われた通りコンロに触れると、赤い幾何学模様の魔法陣が光り、ポッとコンロに火がついた。

「うそ、コンロに火がついたわ? もしかして、いま私が魔法を使ったの?」

 はじめて、魔法が使えたと喜ぶエルモに。

「……エルモ、喜んでいるところ悪いがちょっと違うんだ」

 と、グルは首を振った。

「違うの?」

「うん。俺が用事でいないときエルモが一人で困るだろうから。すこしの魔力で反応するよう魔法陣を変更しておいた。もし魔力がない場合も考えてある」

「え?」

 グルはほかにも。流し台、お風呂とトイレ、ランタンなどにもエルモの為に、いろいろ使用を変更してくれたらしい。

「ありがとう、助かります」
「いいや、たやすいことだよ」

 さて、料理を……

「グルさん、フライパンと鍋がないです」
「ん? フライパン? 鍋類は上の棚にあるけど、エルモは届くか?」

 フライパンの位置を聞き手を伸ばした、かろうじて棚の扉は開けられだけど。
< 34 / 179 >

この作品をシェア

pagetop