組長とわたし
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午前11時


ピロンッ

着信が入った

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佑、時間ある時かけて

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人を便利屋みたいに使う代表的な人だ

美桜はまだ寝てるし仕事がひと段落ついたからかけるか

ほんとに、学校いる時にかけてくんなよとか思いながら発信ボタンをスライドした


2、3回目のコールが鳴り終わると


〔あ、佑か?〕

「なんだよ。仕事中だ」

〔いやさー、美桜の声聞きたくなっ〕

ブチッ

こんなことだろうと思ったよ


さぁ仕事開始!

またパソコンに向き合い仕事をこなすと切ってからしばらくもせずに着信が何件も入ってくる

わざと出ないのをわかっているからか、スタ連までしてくる

36回目の着信に痺れを切らし、苛つきを抑えながらも電話に出た

〔もぉー何で切るんだよ!!まぁお前に用はないけど〕

「死にたいのか?そんなに望んでるなら今すぐ仕事切り上げて相手してやるぞ?」

〔佑兄がそれいうと、現実味がありすぎて物騒だからやめて〕

電話越しにガクガク震えだした後輩の遼 リョウ
の姿を思い浮かべてケラケラ笑う俺にさらに不満を浮かべる遼

〔もう!本当に言動だけには気をつけてね?電話越しでも人殺せそうだよ?〕

「遼なら死んでもまた生き返るだろ笑」

〔いや、笑い事じゃないから!〕

「笑笑」

〔もう、そんなことより美桜は?最近会ってないんだけど〕

「今日は学校の気分だって言って、また寝てるよ」

そう言って、ベッドへ目をやるとすやすやと眠る美桜がいる

〔近いうちに、一回こっちに来るように言って〜みんな会いたがってる〕

「美桜最近そっちに行ってたのにお前会えなかったんだな笑笑」

〔え、美桜。俺だけ会ってくれなかったの?まじで?ショックなんだけど。無理。はぁ〕

「メンヘラ彼女かよ笑だっさ笑」

〔とにかく来るように伝えてて!上がうるさいから〕

「あーあいつも?笑まぁわかったよ。もう美桜起きそうだから切るぞ」

電話を終わらせると5分後には美桜は目を覚ました

「おはよ」

[ん。]

「よく寝れたか?」

[ん。]

「電話あったぞ」

[ん。]

「上が来いって」

[ん。]

「お前聞いてる?」

[うんん。]

「だろうな」

寝起きの美桜の反応は鈍く眠そうにしているから話を聞いていないように見えがちだが本当は、しっかり聴いている

「近いうちに行ってやれ」

[...次電話してきたら、無言で切っていいよ]

「わかったよ笑」

多分言われることが同じすぎてもう聞き飽きたのだろう

仕事が忙しい美桜はなかなか帰れなく、疲労が溜まるので、ほとんど寝ている

「もう帰るのか?」

[...]

無言は肯定だな

「気をつけてな」

[またね]

そう言って保健室からさっと出て行く美桜を見届けて、仕事を終わらせようとまたパソコンに向き合った


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