待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~

 そう思うが、その通りなので言い返せない。さすが長年の親友だ。
 和美は、ワインを飲みながら話し出した。

「でも、副社長ってさ、私たちより12歳も年上でしょ」
「うん、そうなの。なんか、いつも余裕ある感じ」
「余裕、ねぇ。そりゃそうだよね。12歳って言ったら干支一回りじゃん。それで、壮一くんとのことは知ってるの?」

 私が頷くと、和美は驚いた顔をする。

「さすが、すごいわ! それ知っても全部受け止めてくれるって。大人の余裕じゃん」
「“大人の余裕”か……。うん、そうだよね」

 確かにそうだと思う。
 柑士さんが慌てたところも、感情出してるところも、たった一週間だけどほとんど見たことない。怒ってたのも最初に靴をぶつけたときくらいかもしれない。

 うちの兄は柑士さんと同い年だけど、結構感情が顔に出るタイプだった。
 年齢だけじゃなくて、たぶん経験とか、性格とか、そう言うところもあるのだと思っていた。

「で? もうしっかり初夜は過ごしたの?」
「ううん」
「まさかまだしてないの⁉ 婚約してるのに⁉」
「う、うん……。だめかな?」
「だめってわけじゃないけど」

 和美は納得できないように言う。
 私は最初の夜のことを思い出していた。
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