待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~
「おめでとう! 冗談のつもりで復讐しろって言ったのに、まさかひよりにそんな根性があるとは思わなかったわ」
「いや、全然違うの。そもそも父や兄に頼まれて縁談は受けるって言ったけど、まさか相手が副社長だって知らなかったし!」
私は慌てて手を横に振る。
復讐や当てつけのために柑士さんと婚約したわけではない。
和美はいたずらっ子のような笑みで笑う。
「でしょうね。冗談よ冗談。ひよりはそういう計算できるほど、恋愛の駆け引き慣れてないもんね」
「う……」
(それはそれでなんだか腑に落ちないけど)