怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
私の父とはまともに話せていないので、なにがどうなって今に至るのか、順を追って話を聞かなければ全然わからない。
現時点では娘の私よりも束縒のほうが知っていそうだから、逆に教えてもらいたいくらいだ。
そして、束縒がついたウソとはなんなのか。
それらを聞こうとしたのだけれど、部屋から秘書らしき人が出てきて、私たちに中に入るように促したため、話が中断されてしまった。
「大丈夫だ。行こう」
束縒が私の背中に手を添える。
父が迷惑をかけたお詫びと、援助のお礼をしっかりと述べなければと、それだけを考えながら部屋に入った。
会長室はおどろくほど広い空間で、部屋の真ん中に高級そうな黒のソファーとガラステーブルの応接セットが置かれている。
そこに私の父と葛城会長はテーブルを挟んで対面で座っていた。
「冬璃さん。久しぶりだね」
「ご無沙汰しております」
葛城会長とは最近は直接お会いする機会が減っていたのだけれど、穏やかな笑みは相変わらずだ。
だけど以前よりもこめかみの辺りに白いものが増えた気がする。
子どものころは“冬璃ちゃん”と呼ばれていたが、私がCEOに就任してからは“さん付け”になって、社会人として認められた気がしてうれしかったことをふと思い出した。
現時点では娘の私よりも束縒のほうが知っていそうだから、逆に教えてもらいたいくらいだ。
そして、束縒がついたウソとはなんなのか。
それらを聞こうとしたのだけれど、部屋から秘書らしき人が出てきて、私たちに中に入るように促したため、話が中断されてしまった。
「大丈夫だ。行こう」
束縒が私の背中に手を添える。
父が迷惑をかけたお詫びと、援助のお礼をしっかりと述べなければと、それだけを考えながら部屋に入った。
会長室はおどろくほど広い空間で、部屋の真ん中に高級そうな黒のソファーとガラステーブルの応接セットが置かれている。
そこに私の父と葛城会長はテーブルを挟んで対面で座っていた。
「冬璃さん。久しぶりだね」
「ご無沙汰しております」
葛城会長とは最近は直接お会いする機会が減っていたのだけれど、穏やかな笑みは相変わらずだ。
だけど以前よりもこめかみの辺りに白いものが増えた気がする。
子どものころは“冬璃ちゃん”と呼ばれていたが、私がCEOに就任してからは“さん付け”になって、社会人として認められた気がしてうれしかったことをふと思い出した。