怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
 夜、仕事から帰ってきてリビングでくつろいでいると、ピンポンとインターフォンのチャイムが鳴った。
 宅配便でも届いたのかと思ったが、モニターに映っていたのはTシャツにジーンズというラフな服装の男性だった。


「え、伶司くん?!」

『冬璃ちゃん、久しぶり』


 マンションのエントランスにいるのは、束縒の兄である伶司くんだった。
 今は一応、私にとっても“義理の兄”にあたる。
 オートロックを解除し、玄関であわててスリッパを用意して出迎えた。


「久しぶり。ビックリした! どうして日本にいるの?」


 昔から変わらない彼のやさしい笑みに懐かしさを覚えつつ、いきなり現れたことに驚いて質問をぶつけた。
 だって伶司くんはハワイ在住のはずだから。

 どうぞ、とスリッパを差し出せば、彼は両手に荷物を持ったままニコニコしながら靴を脱いだ。
 そのままリビングへ招き入れて冷たいお茶を出す。


「仕事で一時帰国したんだ。あれ? 束縒はいない?」

「うん。もう帰ってくると思うけど。メール入れてみるね」

「じゃあ待つか。これ、お土産ね」

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