怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
 言い終わるとなんでもないようにヘラリと笑い、ちょうど目の前にあったツナのピザを口に入れる。
 束縒は励ます言葉を選んでいたのか、少し経ってから「そうか」とつぶやいた。


「さみしいな」

「……うん」

「元気出せよ」


 下唇をギュッと噛んでいると、束縒が私の頭の上に手を乗せてきてポンポンと弾ませる。

 今のは反則だ。
 弱っているときにそんなことをされたら、胸の奥がキュンとするじゃないか。


 早いもので結婚して二ヶ月が過ぎようとしていた。
 私と束縒は相変わらずで、ご飯を一緒に食べたり、食べなかったりの毎日だ。
 用事がない限り、互いの部屋には基本的に立ち入らないという暗黙のルールができ、そんな生活にも自然と慣れてきた。
 
 ただ不思議なことに、私たちはなぜか同じベッドで寝ている。
 夫婦らしい営みはなく、ただの睡眠の場として使っているだけなのだけれど。
 なんとなく一緒に寝る習慣がついてしまったので、別寝にするきっかけを失っている。

 まぁ、ベッドのほうが寝心地がいいので、今のままでも別にかまわない。
 偽装結婚だから、束縒は私を襲う気などまったくないみたいだし。

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