君が好きなだけ。
「やっぱ彩海かわいいね、その水着!めっちゃ似合ってる!」




「……恥ずかしい、」




女子更衣室で着替える私たち。



そんなまじまじ見ないでください、お2方。



白地にピンクと水色の花びらが散っている上下セットのビキニ。レース素材も使われてて、すごいガーリーなデザイン。




莉愛は首の後ろをリボン結びする青のビキニで、芽依はオフショルのちょっとだけ私服感ある黒いビキニ。




2人とも大人っぽくて、すごい似合ってる。




「よしゃ!お披露目行くぞ!」




って連れてかれる。




……隆に会うの恥ずかしいんだけど、!!











「お待たせ〜!」




先に待ってた男子たちに謝りながら合流。




莉愛と芽依は、真っ先に彼氏のとこに行って、どう?なんてにこにこで聞いてる。




私も、2人に続いて隆のとこにいく。




「………」



お待たせ、って言おうとしてたのに、声が出なかった。




隆の少し焼けた肌とちゃんと割れたお腹と筋肉のついた腕が飛び込んできて、驚いた。





沈黙を破ったのは、隆。





「……かわいい、ね」





「っ、ありがと………隆も、かっこいい…よ、」





照れくさいこの空気。私と隆が挙動不審でいると、冷やかす4人。





莉愛と颯雅は中3から、芽依と琉唯は中2から付き合ってるから………、まあからかわれるのもしかたない、のかな、?




「よし!流れるプール行こー!」




「莉愛転ぶと危ないから手」




「行くか」




「うん、離さないでよ?」




「………」




「彩海も手つなご」




「うん、」




恋人初心者の私たちは、私たちらしく。




いつか、4人みたいなラブラブカップルになれたらいいな。






















「彩海!」





あの人の声が聞こえた気がして振り返る。





「彩海?どうした?」





「……名前、呼ばれた気がして。でも、誰も知ってる人いないし多分気のせい!」





「そっか。早く行こ、アイツらに置いてかれる」





後ろは、もう人混みでわからなかった。




あの人がいたかどうかは確認する術はない。













きっと、気の所為だよね、。


< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop