3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
 それからも理人さんは忙しい日々が続いた。たまに帰ってきているようだけど私が寝てからの夜遅い時間で、朝出るのも私が起きる前。

 宿直ではない日にも、オペした患者の経過が心配で病院に泊まる日もあった。だから家ではまったく顔を合わせることなく、すれ違う日々を過ごして十日が過ぎた日の朝。

 いつもの時間に起きてスマホを見ると、珍しく理人さんからメッセージが届いていた。それを見てすぐに目も覚めてメッセージ文を追う。

【昨夜はお風呂を沸かしたままにしておいてくれて助かった。ありがとう】

「よかった、お風呂に浸かれたんだ」

 毎日自分が入った後にお湯をはっておいたけど、今まで一度も入った形跡がなかった。

 寝室を出てすぐに浴室に向かうと、いつもは浴槽に残っているお湯はきれいに抜かれていた。

 たったそれだけのことなのに、理人さんの役に立てた気がして頬が緩む。

「あ、返信」

 すぐに【お疲れ様です。毎日お風呂を沸かしておくので、帰って来られる日は入って疲れをとってください】と送った。
 既読が付かないからもう仕事をしているのだろう。私も朝食とお弁当を作った後、朝食を済ませて身支度を整え、家を出た。
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