太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜


「「「「……」」」」


シン……と静まり返る教室内で、覆い被さっていた髪を鬱陶しいとでもいうように掻き上げた。

フーッと静かに息を吐き出した後に、気怠そうにポキポキと指を鳴らす。
そして再び一瞬で違う場所に移動してから先程まで笑っていた令息の顔面を掴み上げると力を込めた。


ーーメキメキ


骨が軋む音と共に、ぎゃあああぁ……という悲鳴を聞いたマジェストが、急いで教室に飛び込んでくる。


「ティアラッ!!」


マジェストの声に反応したものの、手には力が篭ったまま止める気配はない。


「私は何をされてもいい」

「……ッ」

「でもリン姉の宝物を壊したコイツらは、絶対に許さない」


昼間といえどティアラはシシナードと同等かそれ以上に強い武人である。
マジェストが静かに首を振ると、舌打ちをして掴んでいた令息を投げ捨てる。

壁に叩きつけられて魚のようにピクピクと震える体。

キャアアアという悲鳴と震える御令嬢達を見て、「うるせえ」とでも言わんばかりに金色の瞳が威嚇をするように見開かれる。


「ぁ……ぁっ、」

「……ごめ、っごめ、なさ」

「ぃ、ゃ…………!」


ガクガクと震える令嬢達はその場から崩れ落ち、逃げ回る。
得体の知れない恐怖に、泡を吹いて倒れ込む者まで出てきた。 
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